25日の東京株式市場で、鴻海精密工業による支援を受けることが決まったシャープ株が乱高下した。鴻海側を引受先とする第三者割当増資を実施するため、既存の株主から見れば保有株の価値が希薄化すると懸念され、取引終盤にかけて急落した。終値は前日比25円(14.4%)安の149円だった。
午前の取引時間中に鴻海による支援が報道で伝わると、経営再建への道筋がついたとの観測から、10円(5.7%)高の184円まで値上がりする場面があった。
東京証券取引所は午後、報道の真偽を確認するとの理由でシャープ株を一時売買停止にした。シャープによる公式発表を受けて売買が再開された後は「既存株主にとって不利な内容だと失望する売り注文が広がった」(国内証券関係者)という。