経営再建中のシャープは24日、定例取締役会を開いた。巨額の支援案を提示している台湾の鴻海精密工業が1000億円の保証金支払いに同意したもようで優勢だ。政府系ファンドの産業革新機構の案を推す声もあり、どちらに支援してもらうかの決議には至らず、25日の臨時取締役会で再協議することになった。鴻海案は有効期限が29日に迫っており、最終段階まで決着が見通せない異例の展開となった。
鴻海は、約5000億円の増資を引き受けるほか、主力取引銀行が保有するシャープの優先株を1000億円買い取ることなど、総額6600億円程度の支援を提案。追加の金融支援を求められていない取引銀行も容認する方向だ。
一方で過去にいったん合意した出資を取りやめた経緯があり、シャープ社内には不信感もある。支援の確実な実行を担保するため、支援額のうち1000億円を保証金として早めに支払うことを求めた。
革新機構の支援案は、3000億円の出資と2000億円の融資枠が柱。シャープへの支援を国内の電機産業の再編につなげる構想を持つ。ほかに最大3500億円規模の金融支援を取引銀行に求めているが、銀行側が応じるめどが立っていない。