--佃社長への提訴、創業者の重光武雄氏は同意しているのか。訴訟の長期化で消費者への影響はどう考えているか
「今回の訴訟について武雄氏は同意している。今回の騒動に関して、お客様、お得意先様、社員とその家族などにご迷惑をかけ大変申し訳なく思っている。ただ、ロッテを本来の姿に戻す第一歩なのでどうしてもやらなければいけないと思っている」
--佃氏が武雄氏に行った虚偽報告の詳細は。佃氏が虚偽報告をしていたことを知ったのはいつか、また佃氏とそのことで話をされたのか。なぜ今になって公表し、提訴したのか
「詳しいことは控えますが、私が代表取締役を務めていた会社の新規事業の案件で、その案件全体は数億円。研究開発費も含めているので止めた段階では損失になっていないモノも含まれている。準備に時間がかかり今の公表や提訴は今になった。佃氏は解任理由をはっきりと述べなかったので当初は何か分からなかった。佃氏とそのことについて2人で話したことはない」
--本日提起された訴訟について。被告が佃氏であって昭夫氏が被告でないのはなぜか
「佃氏はロッテHDの代表取締役社長でありながら当時会長であった武雄氏に対し著しく虚偽、誇張した報告を行っており、重大なコンプライアンス違反にあたると考え提訴した。武雄氏への虚偽、偏った報告をしたのは佃氏なので、佃氏を提訴した」
--早期にグループをあるべき姿に戻したいとおっしゃりますが、具体的には宏之氏が日本事業、昭夫氏が韓国事業を統括する姿に戻したいのか
「現在のロッテの経営体制は本来あるべき姿ではないと思っている。これが本来の姿に戻すためにこれが第一歩だと考えている」
--佃氏を提訴しているが佃氏が退けば兄弟が手をとってロッテを再建できるのか
「仮定の話にはお答えづらいが、経営を良くするために最善の努力はするし、必要な話し合いは誰とでもする」
--損害賠償請求額を確認したい。また、地位確認訴訟はしないのか
「(同席した弁護士が回答)手元に正確な金額はないのですが、訴訟内容は現時点の説明にとどまっています」
(ここで「会見開いて、金額が分からないっておかしいんですけど」と会場からクレームが出る)
--佃氏が武雄氏に虚偽の報告をした理由がいまいちわからない。韓国の一部報道では、昭夫氏の所管する事業で損失が出ており、その発覚を恐れた昭夫氏が宏之氏の追放に動いたというような報道もあったが、事実か
「韓国において中国で巨額の損失が生じているという情報は寄せられている。私どもは韓国ロッテに帳簿類の開示を請求しているが拒否されている。そして現在開示請求の訴訟を韓国で行っているが、開示されていないためまだ詳細は分からない」
--損害賠償額は訴状で後日分かるのでこの場で言ってほしい。あと、会社をあるべき姿に戻したいというが損害賠償請求訴訟だ。地位確認や佃氏の解任を求めないのはどういう理由か
「請求には本来もらえるべき収入、給与、退職金、慰謝料などを含んでいるが、ここでは控えさせて頂きたい。裁判に関しては、お客様などに愛されてきたロッテグループのあるべき姿に戻すための第一歩。本来あってはならないことで事態の早期収拾に向けて全力で取り組んで参ります」
(※回答がかみ合っていないため記者から「会見の意味ないでしょ。説明するために会見しているんでしょ。会見はお互いのコミュニケーションだからある程度いえることといえないことを分けないと」とクレームが入る。司会者が「今回は控えるということで」というと、別の記者から「先ほどは手元に数字がないといっていた」とクレームが入る)
--ロッテを元に戻す第一歩ということだが、今後もなんらかの訴訟を検討するのか
「ロッテを本来あるべき姿に戻すためいろいろ手段をとるので、訴訟も選択肢の1つだ」
--損害賠償訴訟の対象に含まれているグループ4社の理由
「(私が関わっていた)26社のうち4社提訴したのは、ここから報酬を得ていたからだ」
--佃氏の虚偽報告に関して4社は関わっているのか
「関係ない」
--本来あるべき姿に戻すと言うが、不当に解雇されたとおっしゃっているが、地位を元に戻すというのはどこまでがそうなのか
「現在の経営陣は虚偽や誇張された報告によって私を解任し、70年近くロッテを引っ張ってきた武雄氏の代表権を奪った。このような行いは、仲間を大事にしていくといったロッテの信念に応え会社を運営するとは思えない。あるべき姿に戻していく。ロッテという会社は良い商品をつくり、お客様に信頼され、お取引先を大事にし成長してきた会社だが、現在の経営陣がそれに応えることはできない」
--弟の昭夫氏についてのお考えをお聞かせください。また昭夫氏についてはコンプライアンス上問題がないのか、判断を保留しているのか。また、同席されている方の氏名や趣旨について伺いたい
「弟の昭夫に関しては、7月に私が代表取締役副会長を解任したときの取締役会以降、私の元にも、武雄氏の元にもほとんど顔を見せない。大変残念なことだ。昭夫氏のコンプライアンス上の問題は現時点ではよく分からない」
--同席している方の趣旨を
「常盤誠(ときわまこと)と申します。元執行役員です。ロッテに11年半お世話になり、その間(会長だった)武雄氏や(副会長だった)宏之氏にご指導頂き、今回2人の強い意志を感じ微力ながら働かせていただいた」
--あるべき姿ということを強調しているが、経営復帰の考えは
「ロッテのあるべき姿は消費者から信頼され、仲間である社員を大事にする社風に戻すため、私の復帰は大変重要ではないかと考えている」
--武雄氏の健康状態や最近のやりとりは
「高齢ではありますが、健康状態も良く、判断力もしっかりしている」
--7月から武雄氏と昭夫氏は会っていないのか。武雄氏が10月にソウルで入院や退院した際にあっていると聞いている
「ほとんど顔を見せることがなくなったという意味で、ほとんど会うことはなくなったということだ」