三菱重工業は27日、デンマークのヴェスタスと設立した合弁会社「MHIヴェスタス」がベルギーのパークウィンドから洋上風力発電設備50基を受注したと発表した。受注額は数百億円。保守サービス契約も締結し、2017年の運転開始を目指す。
パークウィンドは、北海のベルギー沿岸から約47キロメートルの沖合に出力16万5000キロワットの「ノーベルウィンド洋上ファーム」の建設を計画している。運転開始後は約18万6000世帯への電力供給に年間約6億5100万キロワットのクリーンエネルギーを創出する計画だ。
MHIヴェスタスは、パークウィンドがこれまで手がけた洋上風力発電プロジェクトで計127基の供給実績がある。今回は同社の計画の第3弾になる。
世界の洋上風力発電設備能力は8800メガワットで、欧州が全体の9割以上を占めるという。その欧州市場は、ドイツのシーメンスが6、7割のシェアを握っているとされる。
シーメンスは7メガワット級の洋上風力発電設備を提供しているが、MHIヴェスタスは現在、英国の風力発電事業者向けに世界最大規模の出力となる8メガワット級を開発している。来年から生産を始める。同社では、シーメンスを上回る洋上風力発電設備を欧州で供給し、今後シェアを押し上げたい考えだ。