【観光需要を取り込め グランビスタの新たな一手】(5) (2/2ページ)

2015.10.23 05:00

鴨川シーワールドのシャチのパフォーマンス

鴨川シーワールドのシャチのパフォーマンス【拡大】

  • 鴨川シーワールドの荒井館長

 飼育係員らが千葉県内の幼稚園や小・中学校、特別支援学校を対象に出前授業を実施するのは、自然や命の大切さを知ってほしいという思いからだ。「実際に、見て、触れて学ぶことも大切」として、鴨川シーワールドに訪れた来場客にも講義を実施する。

 観光業界は、訪日外国人の増加に伴い、かつてない飛躍のチャンスが訪れている。荒井館長は「インバウンドの外国人観光客は、南房総ではまだ少ないが、一刻も早く受け皿を整えることが課題だ」と力を込める。動物のパフォーマンスや展示物などを外国語対応にしたり、外国人の集客を高めるウェブサイトなどのPR方法の構築を検討している。

 45年前の鴨川シーワールドの誕生は、海水浴程度の観光地だった南房総をリゾート地に変えた。地元の発展の中核施設の役割をも担う鴨川シーワールドは、マザー牧場(千葉県富津市)など近隣のレジャー施設や宿泊施設などと連携し、観光の回遊性を高めている。「観光客をディズニーランドから足を伸ばしてもらえるような魅力ある観光地」を目指している。

 フジ・メディア・ホールディングス(FMH)との連携で、鴨川シーワールドでは集客力強化への機運が高まっている。荒井館長は「シャチやアカウミガメなど、全国や世界に通用する見せ所はたくさんある。どれだけ多くの人に伝えられるかが今まで以上に重要になっている」と話しており、メディア機能との連携に期待を寄せている。=おわり

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