新卒採用の選考開始時期が昨年に比べ4カ月遅い8月1日に後ろ倒しされたことで、外食産業などでのアルバイトや中途の採用に異変が起きている。学生がアルバイトに時間を割けなくなったため、外食や旅行の機会が増え、関連産業で労働力の需要が大きくなる夏場を中心に採用難が深刻化しているのだ。就職活動の長期化で採用担当者の業務負担が増え、中途採用にも支障が出ており、企業はあの手この手で人手の確保を進めている。
友人同士の応募歓迎
「カップル、友達大歓迎!」
「髪色自由!」
ITベンチャーのビズリーチ(東京都渋谷区)が運営する求人検索エンジン「スタンバイ」を通じたアルバイトの募集では、こんな奇抜なうたい文句でアピールする企業が少なくない。同社の担当者によると、最近になり、こうした求人広告が目立つようになってきたという。
今年に入り、友人同士でのアルバイトを受け入れ始めた企業がある。飲食店運営のゼットンだ。外食業界では、同じ職場で働くことによってなれ合いが生じ、サービスのレベルが低下しかねないため、友人同士の採用を避ける傾向が強い。こうした対応は異例ともいえる。