日銀は19日、倒産に備えて積み立てる「貸倒引当金」などの信用コストがリーマン・ショック前数年間の水準に上昇すれば、「3割程度の地域金融機関は本業のもうけを示すコア業務純益でカバーできない」とするリポートをまとめた。
金融機関は、金融庁が金融検査マニュアルに例示した手法を基に貸倒引当金を算出しているが、景気回復に伴って貸倒引当金から債権売却益などを差し引いた信用コストは縮小。貸出残高に占める比率(信用コスト率)も低下し、2014年度は地域銀行(地方銀行と第2地方銀行)で0.02%、信用金庫で0.1%にとどまっている。
ただ、企業の大都市圏への集中で地域金融機関の収益力は低下。信用コスト率がリーマン前の平均である0.4%程度まで上昇した場合、地銀で27.6%、信金で34.9%がコア業務純益で信用コストをカバーできなくなるという。