回転ずし店チェーン「スシロー」を郊外中心に展開するあきんどスシローが、空白地帯だった都心部の攻略に向け回らない新業態「ツマミグイ」の開拓に乗り出した。1月末に東京・中目黒に1号店を開店したのに続き、6月には赤坂見附店、7月31日には新橋店をオープン。落ち着いた雰囲気の店内で酒やつまみなどを充実させ、既存型では来店頻度の少なかったサラリーマンや女性客の掘り起こしにつなげる。競合ひしめく都心部開拓の先に見据えるのは海外での業態展開。“あきんど”の新たな挑戦が始まった。
個性違う街で実験
「会社として大きくなるチャンスが眠っている」。日本航空の副社長などを経て、今年2月にあきんどスシローの社長に就任した水留浩一氏は、都心部の開拓は成長のために欠かせないとの認識を示した。
スシローのこれまでの新規出店は、地方の国道沿いなど郊外型がほとんど。駐車場を完備し、200程度の席数が中心で、ファミリー層が大部分を占めていた。出店余地は郊外にも残るというが、ますます進む都心部への人口流入により“胃袋”が膨れ上がる東京23区内は、特に「攻めないといけない市場」(水留社長)というわけだ。