【高論卓説】住宅市場の変化と構造改革 大京が挑むストック経営戦略 千葉利宏 (2/2ページ)

2015.7.29 05:00

 大京も05年1月にオリックスと資本提携し、14年2月には連結子会社となったが、同時に13年4月に施工力のある穴吹工務店を買収するなど積極的なM&A戦略を展開。今年春にはグループ会社を再編して建設工事会社の大京穴吹建設、不動産流通会社の大京穴吹不動産を設立して、グループ内で維持・管理からストック活用、建て替え・新築までのストック・マネジメントシステムを構築した。

 1990年代後半に深刻な経営危機に陥りながら構造改革に取り組み、2014年度決算では過去最高の建設受注高を達成した長谷工コーポレーションの幹部も「大京さんはかつてのマンション専業デベではない。むしろ当社に事業構造が似てきた」と注目する。

 大京も1990年代後半には売上高が4500億円を超えていたが、2014年度は前期比5%減の3171億円。今後は累計供給実績45万戸、管理受託実績52万戸と業界トップのストックを生かし、大規模改修した中古マンションの販売強化などで再び成長軌道に乗せる考えだ。果たして大京は復活するか。住宅産業の構造改革の試金石でもある。

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【プロフィル】千葉利宏

 ちば・としひろ ジャーナリスト 東京理科大学建築学科卒。日本工業新聞(現フジサンケイビジネスアイ)で半導体・IT、金融、自動車、建設・住宅・不動産を担当し、2001年からフリー。日本不動産ジャーナリスト会議幹事。著書は「家を動かせ!」「中古住宅を宝の山に変える」(共著:日経BP社)、「実家のたたみ方」(翔泳社)ほか。56歳。北海道出身。

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