■冷蔵ピザへシフト、伊藤ハムと協業
冷凍ピザの販売を始めた1960年代、一般家庭にはオーブンはありませんでしたので、冷凍ピザを焼くことができなかったのです。オーブンがなくてもピザを焼くことができないか、社内で議論を重ねました。
すると「キッチンには必ずフライパンがあるので、フライパンを使ってピザを焼いては」というアイデアが飛び出しました。
◆社名を変更
アルミホイルをくしゃくしゃにしてフライパンの底に敷いてピザをのせて蓋をすると、熱はその中に滞留してチーズは溶けます。生地(クラスト)はパリパリの状態にはならないものの、おいしく食べられるようになりました。その「ピザの作り方」のイラストをパッケージの裏に描いて販売しました。
トースターオーブンが徐々に一般家庭に普及していくのは70年ごろです。するとビジネスチャンスを感じ取った大手の乳業メーカーや冷凍食品メーカーが本格的に冷凍ピザ市場に参入してきました。
これには焦りました。80年前後のことです。わが社は業務用ピザをメーンとして販売していましたから、スーパー向けや市販用の販路も開拓したいと思っていたところでした。81年にはJ&C(ジェーアンドシー)カンパニーの社名だと、一般の人に意味がよく分からないと思い、「ジェーシー・フーズ」と変更しました。フーズが付くと食品会社であることは誰でも分かると期待してのことです。
スーパーの陳列棚を眺めていると、チルド売り場はスペースが結構広くて、あまり商品が並んでいないことに気付きました。ここにピザを置いたら売れるのではと、冷凍から冷蔵(チルド)へのシフトを模索しました。もちろん物流のノウハウはありません。どこが強いか考えていると、陳列棚にたくさんの商品が並んでいたハムメーカーだろうとひらめいたのです。