東京証券取引所と大阪取引所を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)の新たな最高経営責任者(CEO)に16日、清田瞭(あきら)氏が就任した。清田氏は東証社長からの昇格。同日、就任記者会見に臨んだ清田CEOは「かじ取りの難しい時代にCEOという大役を担うことになったが、日本の金融・資本市場の魅力向上のため、この身をささげる覚悟だ」と抱負を述べ、取り組むべき課題として、企業価値の向上や取引インフラの整備、新規株式公開(IPO)の品質向上などを挙げた。
JPXは日本株への収益依存度が高いのが課題で、清田CEOは「事業構造をより幅広い分野に広げると同時に、各分野での品ぞろえを拡大すべきだ」と指摘。具体的には、デリバティブ(金融派生商品)の強化や取引所ビジネスの領域拡大、海外ビジネスの加速を挙げた。
デリバティブの強化をめぐっては「メニューが欠けている(原油などの)商品分野や金利、為替などで開発を続ける」とし、取引所ビジネスの領域拡大では「M&A(企業の合併・買収)やジョイントベンチャー(合弁会社)の設立も将来の選択肢の一つになりうる」と語った。