□日本生命保険社長・筒井義信さん(61)
--2015年度からの中期経営計画で「揺るぎない国内ナンバーワン」を打ち出した
「15年3月期の決算は、売上高に相当する保険料等収入などで(第一生命保険に抜かれ)首位から陥落する見込みだ。総資産や基礎利益などでは依然首位だとしても、重く受け止める必要がある。利益でも、いずれ抜かれかねないからだ。職員の意識にも影響してくる。挽回の旗を掲げることが重要だと判断した」
--出遅れて首位陥落の要因となった銀行の窓口販売向け商品を強化すれば、薄利多売の懸念もある
「保険商品によっては、リスクを抱え込む可能性もある。ただ、銀行の窓販経由で保険を契約する顧客が増えているのも事実。この分野は金利、為替、株価の変動をとらえて売れ筋が数年ごとに変わってきているが、対応できていなかった。今年夏頃には外貨建て商品を出すが、機動的に商品を今後投入するためにも、3年以内に専門の子会社をつくる。買収も選択肢にある」
--低金利下の資産運用戦略として成長分野に3年間で1兆円を投じる方針だ
「これだけの低金利なので、日本国債が軸だった運用資産の構成を見直す。インフラ関連や新興国向けの投融資、M&A(企業の買収・合併)の外貨建て融資などが念頭にあり、経済活性化を図るアベノミクスのインフラ戦略とも重なる。数十億円単位の積み重ねだが、投資先と対話しながら進めていきたい」