現状で想定される売上高は機体だけで500億円程度にすぎない。ただ、品質面で「非常に厳しいスタンダード」(伊東社長)が求められる航空機で存在感を発揮できれば、小型車「フィット」の相次ぐリコール(回収・無償修理)などで傷ついたホンダブランドの信頼回復にもつながる。航空機事業はホンダの将来を背負い、離陸しようとしている。(松岡朋枝)
■ホンダの航空機事業の経緯
1962年 航空機設計コンテストの開催を新聞で告知
86年 小型航空機と航空機用エンジンの研究開始
93年 機体の全てに複合材を使用した世界初の実験機が初飛行
97年 ホンダジェットの開発プロジェクトが正式スタート
2004年10月 小型ビジネスジェット用エンジンの事業化に向け米GEと合弁会社を設立
06年 7月 「ホンダジェット」による航空機事業への参入計画を発表
8月 航空事業子会社「ホンダエアクラフトカンパニー」を米国に設立
10月 米国でホンダジェットの受注開始
12年10月 ホンダジェット量産型1号機の生産開始
14年 6月 量産型1号機が米国で初飛行
15年 3月 米当局の事前型式証明を取得
4月 ホンダジェットが日本初飛行