《巧みなハンドリングと度胸が試される「ブラインド・ジムカーナ」》
記者が最初に挑んだのは、パイロンを並べて作ったワインディングコースでタイムを競う「ブラインド・ジムカーナ」というプログラムだ。ここで使用する車種はコンパクト・スポーツセダンの「IS350 F SPORT」。コースの要所に積み上げた白い段ボールの山々が視界をさえぎる。コーナーを攻めるにはかなりの度胸と腕が試されそうだ。
まずはインストラクターの新田守男選手がお手本を見せてくれた。スタートからアクセル全開で直線を駆け抜けると、最初のブレーキングポイントで一気に減速。段ボールで先がまったく見えない直角の右コーナーに飛び込み、その先のスラロームを左右に攻める。プロの凄まじいテクニックを目の当たりにした参加者たちは「やっぱりすごいなあ、あんなに攻めるのか」「自分には無理かも」などと一様に唖然。鋭いカーブで「キヒヒヒッ!」とタイヤを鳴かせながらゴールに飛び込んだ新田選手のタイムは21秒台。とりあえず、そのタイムが目標となるらしい。ちなみに障害物に接触するたびに1秒のペナルティが科せられる。段ボールをなぎ倒しながら速くゴールしても意味がないのだ。
参加者はそれぞれ2本走るチャンスがある。自分の名前が呼ばれ「IS」に乗り込んだ。若干の緊張の中、スタートの合図とともにアクセルを踏み込み、コースを確かめながら障害物をかわしてゴールに飛び込む。気になるタイムは24秒台。手探り状態だったとはいえ、あまりのタイムの遅さに正直がっかりした。全員の1本目が終わると、新田選手から「みんな慎重になりすぎ。レクサスはぶつかっても壊れないから、次は怖がらず攻めちゃおうよ!」とどこまで本気だか分からない“ゲキ”が飛んだ。
するとどうだ。新田選手の言葉に発奮したのか、2本目は攻めに転じてぶつける人が続出。中には段ボールに派手に突っ込み、カメラマンに「いい画が撮れた」と感謝される人もいた。
記者も2本目は接触覚悟でアクセルを踏み倒し、派手にタイヤ音を立てながらゴールイン。1本目よりも積極的な走りで、なんとか22秒台を出すことができた。プログラムの合間には、雰囲気に慣れてきた参加者たちが“自動車トーク”に花を咲かせた。ここには「レクサスが大好き」というレクサスオーナーもいれば、メルセデス・ベンツなど競合他社のユーザーもいる。中には「日本に数台しかない」というスポーツカーに乗ってきた人もいた。当たり前だが、みんなに共通しているのはクルマが大好きだということだ。