中華圏の旧正月「春節」休暇(18~24日)で中国人らが大挙来日した恩恵が小売り各社を潤した。円安による割安感が購買意欲を刺激したこともあり、高額品を扱う百貨店では訪日客向けの売り上げが前年同期比2~4倍に急増。国内の個人消費が振るわない中、「チャイナマネー」の存在の大きさが浮き彫りとなっている。
三越伊勢丹ホールディングス(HD)では18~22日の5日間の免税売上高が急増。三越銀座店が前年に対し3・3倍、伊勢丹新宿本店が2倍となった。
伊勢丹新宿本店の1人あたりの平均購買価格は10万~20万円。女性は高額のバッグ、男性はコートなどを買う。ひな人形や鉄瓶といった伝統工芸品も売れたという。
高島屋は主要店で3倍の売り上げ。100万円以上する腕時計やバッグが好調だ。大丸松坂屋百貨店は主要店の売り上げが前年の約4倍に達し、松屋銀座店も2・5倍となった。
日用品を扱う総合スーパーにも恩恵は及ぶ。イオン成田店の免税売り上げは1割増えた。人気は目薬で20個ほどまとめ買いされるケースもある。担当者は「PM2・5による大気汚染で、目をケアしたい人が増えているのでは」と話す。