【企業NOW】ドコモ 「体脂肪燃焼」把握の試作機

2015.1.12 05:00

皮膚から放出されるアセトン濃度を測定するウエアラブル端末の試作機

皮膚から放出されるアセトン濃度を測定するウエアラブル端末の試作機【拡大】

 健康関連のサービス事業に注力を続けているNTTドコモ。ウエアラブル端末をめぐっては、人間の皮膚から放出される微量の生体ガスを検出し、「体脂肪の燃焼度合い」を把握する機器も試作している。2014年10月に千葉・幕張で開かれた最先端IT・エレクトロニクスの見本市「シーテック」で披露され、来場者の注目を集めた。

 この端末は脂肪が燃焼する際に放出される「アセトン」の濃度をセンサーで計測する仕組みで、ドコモ先端技術研究所(神奈川県横須賀市)が開発。従来は大型のガス分析装置を使わなければ検出できなかったが、腕に装着できるマッチ箱サイズまで小型化した。

 商品化のスケジュールは決まっていないが、「ヒトエ」を活用したウエアやトレーニング支援アプリと組み合わせ、効果的なダイエットに活用できそうだ。

 15年からは妊娠糖尿病など妊婦特有の疾患の原因解明を目指し、東北大との共同研究を本格的にスタートする。協力する妊婦300人に近距離通信ができる体温計や体組成計などを配り、測定データをドコモのスマホ経由で収集。東北大は妊婦の血液や唾液、遺伝子を採取して症状や生活習慣との関係などを分析する。

 妊婦疾患の研究は、出産後のアンケートや数回の来院時に検査する手法が主だった。しかしスマホを活用すれば高精度のデータを毎日取得できるため、ほかの病気と比べ解明が進んでいない妊婦疾患の予防法確立への貢献が期待される。ドコモとしては「モバイル端末を使った健康管理サービスの進化につなげたい」(梅田成視・先端技術研究所長)考えだ。

 12年7月にオムロンとの共同出資で設立したドコモ・ヘルスケア社は、一日に歩いた歩数や消費カロリー、体重や体温といったデータをスマホ経由で記録・蓄積するサービス「わたしムーブ」などを展開している。

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 ■NTTドコモ

 【創業】1991年8月

 【本社】東京都千代田区永田町2-11-1

 【資本金】9496億7950万円(2014年3月末時点)

 【従業員数】1万973人(同)

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