■新中計で10年先の成長基盤を明確化
--円安株高が進む経営環境をどう捉えるか
「業績面をみれば非常に良い環境だ。ただ、金融緩和が進んで低金利が進み、メーンで投資している超長期の国債金利が追加緩和後にかなりの勢いで下がっており、このままいくと資産運用は厳しい。保険商品ということでも、貯蓄性の商品や年金商品の魅力が低下していく。長期金利の低下がこれ以上進むと予定利率の引き下げや商品の引き受けを停止するかどうかといった判断をしなければならない」
--2015年度は新たな中期経営計画が始まる
「これまでの3カ年計画で大きなテーマとして、『成長基調への反転』を掲げた。中身は4つあって、例えば、お客さま数の反転、保有件数の反転、自己資本の3兆円の達成などで、これらは今のところ達成できる見込みだ。もう一つの新契約シェア、ナンバーワンだが、これは最初の2年は達成したが、今年度は第一生命保険が銀行窓販を業績拡大しており、予断を許さない。ただ、全体としてはこの3カ年計画は所期するところは達成できた」
--新中期経営計画は、どの分野に力点を置くのか
「まずは『中長期成長基盤の確立』と認識している。保険商品、それに伴う資産運用も長い。3カ年計画だが、10年先をにらんで経営をしていく。人口減少や少子化の影響もあり、10年後以降、自然体では収益が徐々に低下していく、厳しくなると認識しているからだ。国内の営業職員チャネルや法人分野の既存事業で圧倒的な基盤を作りたい。もっとこまめに見ていけばまだ成長可能性は高いと考えている。2つ目は『収益ウイングの拡大』で、今までもやってきたが、次の3カ年では、国内、海外とも大きく段階を変えて、取り組んでいきたい」