鹿島は18日、山岳トンネル工事で、掘削時に岩盤の地質を迅速・効率的に把握し、土砂崩落などを防ぐ適切な支保部材を選択できる評価手法を開発したと発表した。鹿島は「この評価手法を活用すれば、工事の安全性や工期順守に貢献できる」と期待している。
支保は、トンネルを掘削してから内面をコンクリートで固めるまでの間、土砂崩壊や変形を防ぎ、安全に作業するための構造部のこと。
特に地質の変化が激しく、崩れやすい不良岩盤が点在するような工事現場では、探査に数日を要するボーリング結果や、目視による観察などを総合的に判断して支保の部材を選んでいる。
鹿島は、発破用の爆薬を装填(そうてん)する穴を開けるための施工機械(ドリルジャンボ)を利用した地質評価手法「削孔検層システム」など複数の独自技術を活用。岩盤の硬さや風化変質の度合いなどを細かく把握し、わずか数時間の作業で山の地質に応じた適切な支保部材を選べる評価手法を確立した。
この評価手法は、宮崎県延岡市の「南久保山トンネル新設工事」(2014年9月完成)で適用、精度の高さが確認された。
鹿島は今後、同手法を山岳トンネル工事に積極展開していく。