12月の一般向け発売をトヨタ自動車が18日発表し、燃料電池車(FCV)が満を持して、いよいよ発進する。普及を軌道に乗せるには、燃料となる水素を供給する「水素ステーション」の整備が欠かせない。エネルギー企業などはFCVの市販化に合わせ、商用ステーションの開設を本格化させるが、ガソリンスタンドの約5倍もかかる設置コストを減らし、水素の販売価格を抑えることが課題となる。
商用の水素ステーションは、岩谷産業が兵庫県尼崎市に国内で初めて7月に開設。2015年度中に東京や大阪など大都市圏に20カ所の建設を計画している。JX日鉱日石エネルギーも12月下旬から神奈川県海老名市を皮切りに整備を進め、14年度内に首都圏を中心に計11カ所、15年度には計40カ所に増やす計画だ。
政府は二酸化炭素(CO2)の排出削減だけでなく、自動車産業の国際的な競争力強化も狙ってFCVの普及を後押しする。15年度中に国内全体の商用の水素ステーションを100カ所程度にする青写真を描く。