□ネット通販のニーズ捉える
□物流ソリューション展開
■受注・出荷管理から配送までをワンストップ
「これまでは物流分野では配送事業がメーンでしたが、民営化に伴い、3PLなどのロジスティクス事業まで手掛けることができるようになりました」と日本郵便が力を入れる新事業への進出について、日本郵便ソリューション企画部課長の下城弥生氏は説明する。物流ソリューション分野でターゲットとするのは、インターネットビジネスで利用が拡大する中堅通販事業者などだ。
とくに日本郵便の強みを最大限に発揮することができる展開として2014年から提供を本格化させたのが物流ソリューションサービスだ。これは郵便局内の空きスペースに通販事業者の商品在庫を置き、注文に応じてピッキング、梱包、出荷、配達までを行うサービス。業者から届く商品の検品も行うので、通販事業者にとって迅速な配送だけでなく大幅な省力化が可能となる。
郵便はトラック輸送が主力であり、主要駅近くの郵便局を拠点にするより高速道路のインターチェンジ付近に新たな郵便施設を設ける方が利便性は高い。このため日本郵便では郵便物流ネットワークの再編を進めている。一方、既存の郵便局では空きスペースが発生するため、その活用が課題となっていた。
JR大阪駅のすぐ近くにある大阪北郵便局の5階は約3300平方メートルの広さがあり、以前はパレットなど輸送容器を保管しておくだけのスペースとなっていた。ここを通販事業者向けの倉庫に変身させ、物流ソリューションセンターとして物流ソリューションを展開することにした。「現在は4社で半分のスペースを使用しています。残りも数社に営業して今年度中には満杯になると手応えを感じています」と近畿支社の郵便事業本部法人営業部担当部長の中辻庸雄氏は順調な展開だという。