■“没個性”に悩む商業施設に貢献
一過性のブームに終わらず、街おこしの切り札としてすっかり定着したご当地グルメ。ご当地グルメ研究会は、自治体や商業施設に代わり、こうした地域の食べ物をテーマにしたユニークなイベントを次々に仕掛けている。松本学社長は「食の魅力は娯楽性を加えることで格段に増す」と、イベントが果たす役割の大きさを強調する。
埼玉県越谷市の大型商業施設「イオンレイクタウン」で12日から18日まで開催される「ご当地かき氷まつり」。「旅先でしか味わえない氷」をテーマに、地域の知る人ぞ知るかき氷店5店舗が一堂に集結、ふだんめったに味わえない「ご当地かき氷」が販売される予定だ。
秋田県から出店した進藤冷菓のかき氷は、現地の粉雪を思わせるさらさらした食感が売り。企画店舗の「お取寄せ氷屋」では、アラスカの氷河の氷を取り寄せて作った「アラスカ流氷かき氷」などの貴重な商品が限定販売される。
このイベントは、旅先でしか経験できない味に触れ、酷暑の中でも涼をとってもらおうと、ご当地グルメ研究会が企画。イオンレイクタウンでは、昨年の第1回が好評だったため、引き続き開催することに決めた。
イオンレイクタウンは、商業施設として日本最大級の規模を誇るとはいえ、集客力の維持やリピーターの獲得には客を飽きさせない工夫が必要だ。ただでさえ、大都市郊外などで大型施設のオープンが相次ぎ、競争は一段と激化している。松本社長は「商業施設は“没個性”に悩んでいる。あきられないためにもユニークなイベントの存在は欠かせない」と強調する。