人手不足が日本経済の成長の懸念材料となる中、介護などの現場で人とコミュニケーションするロボットの活用が広がっている。これまでロボットは工場の組み立て作業を行う産業用が主流だったが、人工知能などの技術開発が後押しし、サービス用のロボットが増えている。平成47年には国内市場規模が6倍になるとの予測もあり、異業種も含めた開発が加速している。 横浜市泉区の日帰り介護サービスセンター「ツクイ横浜中田」。高齢者17人を前に富士ソフトのロボット「パルロ」がソーラン節を歌ったり、落語を披露するなどして盛り上げた。
初めは参加者の表情も硬かったが、パルロが愛嬌(あいきょう)のある声で話す度に自然と笑いが広がった。パルロと対話した83歳の女性は「慣れると次第に親しみがわいてきた」と笑顔で語る。
介護サービスを展開するツクイでは、ロボットが高齢者と新たなコミュニケーションを生み出す可能性があると考え、昨年から試験的に導入している。
背景には、高齢者の介護施設で、レクリエーションが現場職員の大きな負荷となっていることがある。
365日、別の企画を行えるパルロへの関心は高く、富士ソフトロボット事業部の上竹淳二課長は「今年は問い合わせが前年の5倍以上」と話す。