ゼンショーホールディングス(HD)が運営する牛丼チェーン最大手「すき家」の苦境が続いている。「牛すき鍋定食」を発売した2月以降、アルバイト従業員の大量退職が生じ、人手不足による店舗休業はしばらく解消できない見通しだ。
すき家は他の牛丼チェーンに比べ、少ない従業員で店舗を運営する手法により利益率を高め、年間最大200カ所超の積極出店で事業を拡大。国内外食チェーンとしては「マクドナルド」に次ぐ2000店達成を射程に収めていたが、快挙を目前に成長モデルの転換を迫られている。
長引く「パワーアップ改装中」
午後8時、東京都杉並区の京王井の頭線高井戸駅前。勤め帰りのサラリーマンらが、黄色にライトアップされた牛丼店「松屋」へと吸い込まれていく。だが、環八通りを挟んで斜め向かいに建つ「すき家」の明かりは消えたままだ。