日本は有名観光地を除き、まだまだガイドインフラが整っていない。橋本直明社長は「無資格者やボランティアがガイドを務める場合も多く、それが観光客の満足度低下を招いている」という。
橋本社長は、リクルートで旅行雑誌の広告営業を経験したほか、学生時代から世界を旅し、会社設立前にも9カ月かけて世界一周した経験の持ち主。訪れた国の数は70を超える。トラベリエンスを設立したのは、旅先の欧州でガイド付きツアーの充実ぶりを目の当たりにし、同時に日本の少なさを痛感したのがきっかけだった。
2013年2月の設立から間もなく、東京の浅草や秋葉原を案内するガイド付きツアーを開始。観光客の増加とともに、優秀なガイドの組織化を狙った今回のサービスは「第2ステップ」にあたる。
訪日外国人数が着実に増加しているとはいえ、8000万人を超える首位のフランスに遠く及ばず、観光白書も「いまだ新興国の段階」と認める。「第3ステップとして15年には海外にも進出したい」(橋本社長)。東京五輪を20年に控え、ベンチャーの勢いが日本を観光先進国へガイドする。(井田通人)
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【会社概要】トラベリエンス
▽本社=東京都台東区蔵前2-4-3 蔵前永谷ビル6F-E
▽設立=2013年2月
▽資本金=300万円
▽従業員=21人
▽事業内容=外国人観光客向けのガイド付きサービス提供など