【新興国に翔ける】財閥が牛耳るフィリピン経済 (1/2ページ)

2014.5.13 05:00

 □スパイダー・イニシアティブ 代表 森辺一樹

 近年、年率7%弱の高い経済成長を見せるフィリピン。英金融大手HSBCの予測によると、フィリピンの国内総生産(GDP)は、2050年に1兆7000億ドル(約173兆2980億円)に達し、インドネシアの1兆5000億ドルやマレーシアの1兆2000億ドルを超えるとされている。

 フィリピン経済を語る上で無視できないのが財閥の存在だ。確かな統計数字は存在しないが、フィリピン経済の8割ほどは財閥が占めていると言っても過言ではないだろう。フィリピンの財閥は大きく中華系とスペイン系に分けられる。多くの中華系財閥が活気づく一方で、スペイン系財閥は大半が勢力を失い、今ではアヤラ財閥だけが目立つ存在になっている。

 アヤラ財閥は、不動産、銀行、通信、保険、食品事業などを手がけ、メトロマニラ経済圏マカティ地区の開発や多くの高級ブランド店が立ち並ぶ超大型複合商業施設「Greenbelt」の開発で有名だ。現在もマカティ地区に富裕層向けの高級マンションの建設が途切れない。

 中華系財閥の中心はやはりなんといってもヘンリー・シー(Henry SY)氏率いるシー財閥だ。フィリピン最大の商業銀行であるBanco de Oro(BDO)やフィリピンの小売り最大手SMグループを持つ。ファーストリテイリングが合弁でユニクロを展開している相手もこのSMだ。

 現在、ヘンリー・シー氏はフィリピン一の大富豪であり、13年で資産は130億ドル、日本円にして約1兆3000億円だ。ちなみに、日本一の大富豪も総資産178億ドルでファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏だ。

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