特別部会の焦点に浮上しているのはNTTの規制緩和だ。伏線は4年前の「光の道」構想にある。
「光の道」構想は2015(平成27)年に、光サービスを中心としたブローバンド(高速大容量)通信を全世帯へ普及することを目指した。議論の過程でソフトバンクの孫正義社長は、NTTから光回線などのインフラ部門を分離し、通信各社の出資で回線敷設会社を設立する「NTT光回線設備分離論」を主張した。
だが、最終的にはNTTの光回線貸し出し部門と利用部門を完全分離し、設備貸し出しの公平性を確保するとの条件で、この主張は退けられた経緯がある。
今回の特別部会で総務省は、第2次安倍晋三政権の産業競争力強化政策と呼応して、社会インフラにおける情報通信技術(ICT)の役割拡大を中心テーマに据えた。その実現にはNTTに対する規制緩和が必要だと判断した節がある。
競争を促進
総務省幹部は今年1月、「(固定通信と携帯電話のセット割引ができない)NTTドコモの規制はこのままでいいのかという問題がある」と指摘した。