ウォーターダイレクトは、富士山麓から採取した天然水の宅配サービス「クリティア」を提供している。サーバーに設置したボトルは、使用後に廃棄するワンウェイ方式を採用。家電量販店などを通じたデモ販売に力を入れ顧客も右肩上がりで伸びている。伊久間努社長は、富士山だけではなく他地域の名水を活用した“地産地消”戦略の導入も検討し始めている。
--地産地消を視野に入れたきっかけは
「2月の大雪だ。山梨県富士吉田市に工場を所有しているが交通網が寸断されて八方塞がり。最大7日間にわたって商品が届かないケースもあり、顧客に迷惑をかけてしまった。大きな反省点だ。このため九州を始め西日本地区を中心として、新たな集荷拠点や富士山とほぼ同質の水源を確保することも必要ではとの思いを強めている」
--メリットは
「物流コストの抑制につながり、全国各地の事情に配慮した価格帯を形成できるようになる。当然コストが高くても富士山の水にこだわる人はいるだろうから、適切な対応を図っていく。ただ富士吉田のような生産設備を所有することが決して効率的とは思わない。ジョイントベンチャーや製造委託など、いろいろな手法も検討している」
--国内の販路はどういった形で開拓しているのか
「ヨドバシカメラやビックカメラグループ、高島屋などの大手百貨店の店頭でデモ販売を実施し、顧客数は約25万人に達した。エリアとしては九州の一部と北海道などを残して8~9割は開拓している。景気に左右されにくい業界なので、これからは着実に年輪を重ねていけるかが大事だと認識している」