クオリティーの向上を図ろうとすれば、どんな業種でも職人的な質の向上を苦としない人材が必要だし、それを実現する価値提供過程が必要になる。利便性や価格で勝負しようとすれば、スピードや正確性を求めていく必要がある。顧客との関係性を深め、コミュニケーション戦略を取ろうとすれば、伝える、聴くスキルや自己開示性、双方向性を追求できる人材を育成する必要性が生じる。
同じ髪を切るという業種でも、駅ナカにある10分1000円の理髪店と、客単価6000円の高級志向の美容院では人材要件が全く異なる。どこにどう重点を置くのか、これもまた自社で選択すべき戦略だ。
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【プロフィル】佐藤拓哉
さとう・たくや 1973年、茨城県生まれ。社会保険労務士。人事コンサルタントとして、全国各地で企業研修、人事制度構築支援などを手掛ける。著書に「人事労務の実務辞典4 休日・休暇・労働時間」など。