インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引所で、東京に拠点のある「マウントゴックス」が取引を停止し、4億ドル規模の資産が宙に浮く可能性があることが、26日までに分かった。停止の経緯や利用者への対応は示されず、価格も急落。仮想通貨の危うさが鮮明になった形だ。
マウントゴックスのサイトは25日昼ごろ、アクセス不能になり、26日未明にかけ「顧客保護のためすべての取引を当面停止する」との声明文を出した。ただ、その後は何も示されず、東京・渋谷の事務所ももぬけの殻だという。
「夜逃げ」同然の対応に、波紋は世界を駆け巡った。海外の主要2取引所の平均価格は25日、一時1ビットコイン=420ドル前後と前日比20%超下落。その後、500ドルを上回る水準まで戻したが、価格変動幅の大きい展開が続いている。マウントゴックスの利用者は世界で100万人規模といわれ、欧米メディアによると発行済みビットコインの約6%(約400億円相当)が同取引所内にあるという。