【新春に語る】日商・三村明夫会頭 マインド“リセット”で成長軌道に (1/3ページ)

2014.1.1 04:00

 --昨年11月に会頭に就任した

 「改めて、大きな組織だと感じる。スタッフの数は全国514商工会議所で1万人。126万の会員は日本の企業数の3分の1だ。各地方では商工会議所が企業の生の声を吸い上げ、要望などをとりまとめる中心機関になっている。行政からの信頼も厚い。日本の経済は明るくなってきたが、日商の会員が回復を実感できるまでは本当の回復ではないと思っている」

 --4月には消費税が上がる

 「税率が今より3%分上がるが、中小企業の平均利益率は2%だ。消費増税分を最終価格にきちんと上乗せできなければ赤字に陥ってしまう。増税分をスムーズに上乗せできるよう役所には監視員が置かれるし、日商でもチェックを行う。さらに中小・零細企業が共同で引き上げ分の価格転嫁を目指すカルテルも容認されており、制度的な枠組みはこれ以上ないほど講じられている。それでも中小企業はみな、心配している。取引先に消費税分を払ってくれと言いづらいからだ。“それならいいよ、他から買うから”といわれたら、立場の弱い中小企業は役所に駆け込むわけにもいかない。だから、政府が要請している賃上げにも踏み切れない。消費税はみんなが払うもので、どこかにしわ寄せがあってはいけない。そうならないように働きかけていく」

 ◆TPPと農業、両方必要

 --政府は成長戦略の実行計画を策定する方針だ

 「よく言われるように、規制緩和はお金の要らない成長戦略で、日本の成長率を底上げする極めて有効なやり方だ。残っているのは農業、労働、医療の3つ。徹底的に進めてほしい。とくに農業の減反政策が打ち出されたのは大きい。これまでのコメ政策は減反で価格をつり上げ、消費者保護と言いながら消費者はものすごく高いコメを買わされている。能率の悪い多数の兼業農家を保持して生産性は上がらず、耕地面積は少ない。農業従事者の平均年齢は66歳。これ以上やっていたら日本の農業はつぶれる」

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