--不採算事業売却や国内小売店の在庫回収など「負の遺産」と位置づけた諸問題に対する手応えは
「業績不振だった米子会社ののれん代を減損処理し、前年度は最終赤字と上場来初の減配となったが、そこから社員の努力で改革スピードが上がり、今年度の上期で課題一掃のめどが見えた。本格的な成長はまだつかめていないが、魚谷氏が顧問として統括し、改革する主力ブランドが来年度に発売されれば、市場に強烈なインパクトをもたらし、成長に向かう原動力になるだろう。消費税増税の影響は、駆け込み需要分と反動減の規模がほぼイコール。景気回復で伸びる分に期待する」
--東京五輪に向けて「おもてなし」が課題となる
「資生堂に連綿と受け継がれている伝統だ。日本の良さを知ってもらうためにも、お役に立ちたい」
◇
【プロフィル】前田新造
まえだ・しんぞう 慶大文卒。1970年資生堂入社。化粧品事業戦略本部推販部長、経営企画室長、取締役などを経て、2005年社長、11年会長。13年4月から社長を兼務。66歳。大阪府出身。