ソニーとパナソニックが、次世代テレビとして期待されている有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビ事業での提携を今年末で解消することが25日、分かった。年内を目指してきた量産化技術の確立にめどをつけることができず、早期の事業化は難しいと判断した。両社は当面、需要が拡大しつつあるフルハイビジョンの約4倍の解像度を示す「4K」に対応した液晶テレビに経営資源を集中し、不振のテレビ事業の収益改善を急ぐ考えだ。
有機ELは電圧をかけると自ら発光する有機物でできた素材で、「ポスト液晶」として有望視されている。テレビに応用すれば、夜景などの暗い映像も美しく映し出すことができる上、パネルの背面に光源を置く液晶テレビよりも薄く、消費電力も抑えられる技術として注目されている。
有機ELテレビの開発をめぐっては、韓国サムスン電子やLG電子が今春、世界に先駆けて民生用を発売。ただ、当初の価格が1台100万円以上と高いことから販売は振るわない。