【新トップ】資生堂社長に魚谷氏が昇格　理想は「顧客主義を徹底する会社」

　「打診を受けて『まさか』と耳を疑ったが、資生堂の将来を思う（前田新造会長兼社長の）熱い気持ちに心を動かされた」

　米国で経営学を学び、日本コカ・コーラでは「爽健美茶」などのヒット商品を手掛けた。「日本は『マーケティング立国』を目指すべきだ」というのが持論で、「顧客主義を徹底する会社」を理想とする。

　「資生堂化粧品を使っている女性のメークが好きです」と豪快に笑う。その明るい性格は、統括顧問として現場を訪れた先々でも受け入れられ、「人を引き込む力は傑出している」（前田社長）と評価は高い。

　化粧品に携わるようになったのは顧問就任からの半年あまりに過ぎないが、既に化粧品マーケティングに対する知見を社内に啓発するなど実績も築いた。

　妻と娘２人の４人家族。ゴルフ、海外旅行に加え、ショッピングが趣味。「他の客がどういう視点で買い物しているかウオッチングするのが好き」と話す。（兼松康）

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【プロフィル】魚谷雅彦

　うおたに・まさひこ　同志社大卒。１９７７年ライオン歯磨（現ライオン）。９４年日本コカ・コーラ。同社社長、会長を経て２００７年ブランドヴィジョン設立。１３年４月から資生堂マーケティング統括顧問。５９歳。奈良県出身。