【挑む】アトナープ・佐藤友美社長 高精度の質量分析武器に米国へ進出 (1/2ページ)

2013.12.23 05:00

 IT(情報技術)やベンチャー企業、投資家が集積し、リーマン・ショック前の活気を取り戻した米シリコンバレー(カリフォリニア州)。佐藤友美社長率いる超微量化学物質分析技術の頭脳集団であるアトナープは、日本貿易振興機構(ジェトロ)がスタートした中小企業の米国での起業支援プログラムに参加。来年から、シリコンバレーで資金調達し、シェールガス革命に沸く米国で超微量の化学物質分析技術を武器に技術を売り込み、再挑戦する。

 --前身のアイピーフレックスは最終的に破産申請した

 「副社長CTO(最高技術責任者)として、画像やデータ処理で、米インテルに挑戦できる処理速度を実現できる半導体『動的再構成チップ』を開発。通常2~3時間かかる処理を最短で30秒から1分に短縮した高性能で、米スタンフォード大のコンテストでも注目を集めた」

 「一方、その高速処理半導体を使い何をやるかのアプリケーションを提案できなかったのが敗因だ。1990年代後半のITバブル崩壊で半導体不況の波をかぶり、資金繰りに行き詰まった」

 --挑戦する技術の強みは

 「半導体技術と高速データ解析技術を応用した超微量化学物質の分析技術。これまで検出できなかった低濃度の化学物質や組成分析を瞬時に実現できる。チップ上でPPB(10億分の1)からPPT(1兆分の1)の精度で測定できるため、レーザーやガスクロマトグラフなどの既存の分析方法に比べ安価にできる。すでに米大手計測メーカー数社から協力を打診されており、まず、成長産業のシェールガス計測向けに投入したい」

 --実際何が可能になるのか

 「パイプラインを流れるガスの組成を分析した上でどの品質のガスがどれだけ流れたかを瞬時に分析できれば、燃焼カロリーに換算してエネルギーを売買できるし、制御もしやすくなる。自社開発にこだわらず、目下必要な技術を世界中から集めてシステム化している」

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