百貨店のレストランなどで食材偽装が相次いだ問題で日本百貨店協会は29日、加盟百貨店の65.9%にあたる56社で偽装や不当表示が確認されたと発表した。店舗数は57.4%にあたる132店。協会は産地証明の確認や抜き打ち検査の実施などの再発防止策をまとめ、同日各社に通知した。
内訳は「芝エビ」や「車海老」と表示しながらバナメイエビなどを使用していたケースが約3割、ステーキと表示し成型肉などの使用が約2割、異なる産地表示が約1.5割。「有機抹茶」が有機といえるものではなかった、「手作りさつま揚げ」が仕入れ商品だった、などの報告もあった。
同協会の茶村俊一会長(J.フロントリテイリング会長)は「深く反省している。できる限りの改善策を講じる」と話した。研修会を開くなどして、再発防止策や食品表示に関する知識の周知徹底を図る。
同日、三越伊勢丹ホールディングスは、百貨店などで発覚した食材偽装の責任を取り、石塚邦雄会長と大西洋社長ら子会社を含めた役員4人の報酬を一部返上すると発表した。同日の取締役会で決議した。