合従連衡を繰り返してきた半導体業界の優勝劣敗が鮮明になってきた。東芝やソニーなどの“勝ち組”はいち早く強みとする分野に経営資源を投入。一方、“負け組”とされたパナソニックやルネサスエレクトロニクスなどはリストラを余儀なくされている。ただ、半導体市場は、スマートフォン(高機能携帯電話)や自動車分野での成長が本格化し、海外勢の勢いは増すばかりで、日本勢は瀬戸際に立たされている。
最高の営業益
「昨年7月から生産調整に入ったが、需給が引き締まったと同時に値段が上がり始めた」
10月30日、東芝の2013年9月中間決算発表。半導体など電子デバイス事業が過去最高の営業利益(1137億円)をたたき出したことについて、東芝の久保誠副社長は明るい表情で言及した。
同事業を牽引(けんいん)したのは、スマホやタブレット端末向けの記憶用半導体「NAND型フラッシュメモリー」で、東芝全体の利益の大半を稼ぎ出した。