キヤノンは、現実の映像と仮想の立体映像(3D)などを組み合わせ、頭部装着型ディスプレーに表示するMR(複合現実感)システムに手持ち型のディスプレーを12月中旬に追加し、ラインアップを拡充する。製品開発の現場やショールームなどに売り込み、2016年度の国内販売台数を現状の6倍以上に当たる400台に引き上げたい考えだ。
MRシステムは、目の前の光景に3Dデータから作った仮想の立体映像と組み合わせ、ディスプレーに表示する機器。実際にはないものが、使用者の視点や姿勢に応じてその場にあるように見える。
例えば、開発中の新車の3D画像を映せば、模型を作らなくても実寸サイズが確認でき、装備の位置や周りから見た場合の外観などもチェックできる。
キヤノンは得意とする光学技術を活用し、1997年にMRシステムの研究開発をスタート。2012年に専用の頭部装着型ディスプレーを初めて発売した。