「どう考えても弱い者いじめだ。(増税するなら)ダイヤモンドのような高級品にかけたほうがよほどいい」-。スズキの鈴木修会長兼社長は1日開かれた9月中間決算の記者会見で、2015年の廃止が決まった自動車取得税の税収を穴埋めするため、総務省が軽自動車税などの増税を検討していることについて、不快感をあらわにした。
鈴木会長は、国際的に見た場合、自動車に対する課税は乗用で年間7200円という軽自動車税の水準が妥当だと指摘。「今まで安かったから増税するというのは、国際基準からみておかしい」と訴えた。
また、安倍晋三政権が経済界に求めた14年春闘での賃上げについては「(売り上げが)どれだけへこむか分からない。考えている暇がない」と述べ、軽自動車増税が景気回復やデフレ脱却に逆行すると強調した。
一方、スズキが同日発表した9月中間連結決算は、円高是正による為替差益、インドネシアやタイなどでの販売好調が寄与し、営業利益が36.5%増の902億円、最終利益が23.3%増の516億円だった。利益額と利益率はいずれも過去最高を記録。中間配当は1株当たり2円増配し、10円とした。また、14年3月期通期の業績予想を上方修正し、営業利益を従来予想から50億円増やした前期比17.6%増の1700億円にした。