2013年9月中間決算を発表した上場企業の決算会見で、経営者が来年の春闘に向けて賃金の底上げにつながるベースアップ(ベア)に前向きな発言が相次いでいる。業績回復に加え、政府の賃金引き上げ要請に応える機運が企業側に高まっている。
「ボーナスではなく、月額の給与水準を上げることで、一般社員のモチベーション向上を図りたい」
31日、日清食品ホールディングスの中川晋副社長はこう明言した。同社は、主力の新製品の袋麺の売れ行きが好調で、中間期の最終利益が37.7%増となった。「増益分を賃金改善にという考えはある」(中川副社長)。
日立製作所の中村豊明副社長も、消費税増税や法人税率の引き下げ検討などの政府の動きを評価したうえで、「個人消費が増えるようにと考えている。そういう意味での貢献ができればいい」とベアに前向きな姿勢を見せる。三菱自動車の益子修社長も、「前向きに考えたい」とベア検討を表明した。