劣勢にたたされた大手メーカーの一部が、価格帯などが似た対抗商品を発売。従来、流通業者のプライベートブランド(自主企画商品、PB)は、「ナショナルブランド」と呼ばれる大手メーカーの商品を後追いするのが一般的だが、金の食パンではその逆となった。「これまでには考えられなかった動きだ」(大手流通関係者)。
開発に着手したのは平成24年9月。直接のきっかけは、「セブンーイレブンの食パンはもっとおいしくできるはずだ」というセブン&アイHDの鈴木敏文会長の厳しいひと言だった。販売が伸びない食パンについて、それまで1年以上問題意識を持っていたという。
食パンは長く100円前後の“安売り”市場が主流で、セブンーイレブンも同様の価格帯で食パンのPB商品を販売していた。だが、「求められているはずなのに数字は悪かった」(中村氏)。