富士通は23日、3D(3次元)プリンターやビッグデータなどのICT(情報通信技術)を活用した製造業向け支援サービスに乗り出すと発表した。富士通の国内工場が持つ資産やノウハウを使い、中堅・中小企業などの「ものづくり」を指南する。これらを軸に「ものづくりソリューション」と名付けたサービスを展開しており、製品の企画・設計から販売・保守にいたる「ものづくりの流れ」を一貫してサポートする。
製造支援サービスは、顧客企業の製品開発で必要になる製品や試作品の生産受託を行う。長年、自社で取り組んできた3Dデータを活用した仮想検証のノウハウを生かし、設計段階からの支援も受け付ける。
同社の精密部品加工拠点を活用し、人工衛星部品や自動車部品など複雑な精密部品の加工を受託する。また、3Dプリンターを活用し、3Dデータからの試作だけでなく、2Dの図面や手書きのポンチ絵からでも、試作品を製造するサービスを提供する。
携帯電話やスパコンなどさまざまな電子関連製品製造のノウハウを駆使し、同社工場を活用して顧客の要望に応じた製品の製造を支援する。ビッグデータの分析技術も活用し、生産設備の膨大なログ(動作記録)から、生産性の向上につながる生産ラインの改善点などをコンサルティングする。