価格が下落しやすい市販向けカーナビの収益力を高めようと電機各社が据え置き型カーナビの付加価値向上に力を入れている。スマートフォン(高機能携帯電話)との連携強化のほか、ヘッドアップディスプレー(HUD)との組み合わせによる安全運転支援を提案し、需要の取り込みを競っている。
「従来のカーナビの概念を脱却し、もっと安全でさらに便利な商品を提供していきたい」。富士通テンが8日、東京都内で開いた市販カーナビ「イクリプス」の新製品発表会。川村昌史専務はこうあいさつし、新製品の拡販に意欲を示した。
同社はこの日、イクリプスと連携させて使うスマホ用音声検索アプリケーション「カラフル」(無料)の提供を11月上旬に始めると発表した。話し言葉を正確に認識し、検索結果を音声で知らせてくれるのが特徴。
例えば「近くの空いている駐車場を教えて」と質問すると、「6件見つかりました。現在地から1キロ先に○○駐車場があります」と回答。それに対し「そこに行く」と言うだけでカーナビに目的地が自動転送される。