10年に経営破綻した日航には3500億円の公的資金が投じられ、会社更生法の適用で金融機関も5215億円の債権を放棄した。今も法人税の減免などを受けており、ANAHDの伊東信一郎社長は「自助努力ではカバーできないほど、経営体力の差が開いている」と訴える。
世界屈指の高収益性
日航の収益性の高さは、世界の航空大手の中でも屈指の水準だ。13年3月期連結決算で、本業のもうけを示す営業利益が売上高に占める比率を示す営業利益率は15.8%と、ANAHDの7%を大きく引き離す。
SMBC日興証券によると、海外の航空大手の前期決算の営業利益率は、米デルタ航空が7.2%、豪カンタス航空が2.5%、シンガポール航空が1.6%、独ルフトハンザ航空がマイナス1.2%など。板崎王亮シニアアナリストは「日航の収益性はずば抜けて高い」と指摘する。