ドコモのiPhoneにシャープ苦悩 スリートップかパネル出荷増か

2013.9.7 17:00

 NTTドコモが米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売に乗り出すことで、ドコモにスマホを供給するシャープや富士通が、「スリートップ」から“転落”するという懸念が強まっている。シャープは今冬のスマホ商戦で、ドコモが重点的に販売拡大を支援する携帯電話メーカー3社にようやく選ばれる見通しだった。ただ、米アップルも、シャープ製の中小型液晶を大量に購入する“お得意さま”だけに、シャープは歓迎も反発もしにくいジレンマに陥っている。

 「ドコモがアイフォーンをどれだけ売るか次第だ」

 シャープ関係者は、重い口調でこう打ち明ける。

 今夏、ドコモはソニーと韓国サムスン電子のスマホ販売をテコ入れする「ツートップ戦略」に乗り出したため、シャープのスマホは苦戦。今年度の予想販売台数は、期初予想から130万台減の550万台に下方修正を強いられた。

 巻き返しに向け、シャープはドコモに活発なトップセールスを展開。そのかいあって冬商戦でドコモは、ソニー、富士通とシャープを「スリートップ」とし、販売拡大に乗り出す方向だった。しかし、アイフォーンの参入で風向きが変わった。

 MM総研の横田英明取締役は「ドコモの新機種発売はソフトバンク、auと、ほぼ同じ時期で、今秋はアイフォーンが販売の中心になる」と分析する。アイフォーンの販売増は、シャープの液晶事業にとってプラスだが、スマホの販売戦略では修正を迫られそうだ。

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