就業規則、福利厚生、給与…。サラリーマン生活の重要な要素は各種制度で、会社選びの大きなポイントでもある。会社側が定めて労働組合などに諮るのが通常なのだが、従業員たちの合議で最適な制度を探る会社が、医療関連サービスを手がける協同病理(神戸市西区)。政府の提唱に先立って育児休業3年を導入、パートタイマーと正社員の切り替え自由…。社員20人という小規模ながら、これまで作り出してきた制度は時代の先をいくユニークさ。現代版“寄り合い”が生み出す活力とは。
取締役会と“同等”
「育休中の社員の仕事をカバーしている。人事評価に反映させるべきか」「物品管理や清掃も、日々の業務推進に不可欠。縁の下の力持ち的な仕事を担当する人にも目を向けたい」。協同病理の会議室では、社内制度を検討するプロジェクトチーム(PT)が白熱した議論を交わしていた。
今年度のテーマは人事評価制度。PTメンバーが職場や仕事の実態をもとに、意見を持ち寄る。「制度設計に関わることが魅力。後輩たちがより働きやすい環境をつくりたい」とメンバーの西田美穂さん(29)は話す。