大阪商工会議所は、製造業に革新をもたらすとされる「3Dプリンター」を中小企業がビジネス拡大に活用できるよう支援する。8月末に近畿や北陸の計71の商工会議所とともに研究会を発足。関連ビジネス創出の可能性をさぐる。
大商は近畿、北陸の2府5県の商工会議所に参加を呼びかけており、8月22日に大阪市内で初会合を開く予定。来年2月までの間に、3Dプリンターを活用する企業の実地調査や利用法を伝授するセミナーを実施する。
また、導入した場合の生産性の変化をシミュレーションをしたり、事業ごとの有効な活用方法を探ったりして、その成果を中小企業の事業拡大に生かしてもらう。研究会での議論を踏まえ、補助金など中小企業への支援策も国に提案する。
3Dプリンターは、樹脂や金属粉などを重ね塗りするようにして積み上げ、立体の造形物をつくる機器。「ものづくりを革命的に変える可能性を秘める」(オバマ米大統領)とされ、中小製造業が集積する関西でも関心が高く大商への問い合わせが急増している。
大商の経済産業部は、金属加工など部材、部品メーカーが集積している関西では、関連ビジネス拡大の余地が大きいと指摘。一方で「どんなものでもつくれてしまう、金型業者の仕事がなくなるのでは、など両極端な疑問が多い。3Dプリンターを基礎から学んでもらい、有効な活用法を知ってもらいたい」と話す。
8月上旬には、佐藤茂雄会頭ら大商幹部も米3Dプリンターメーカー代理店や、機器を導入した関西の化学メーカーを視察。大商全体で3Dプリンタービジネスを後押ししていく態勢を整える。