ANAホールディングス(HD)傘下の全日本空輸が航空貨物の路線拡大に乗り出す。旅客機の貨物室を使った輸送に加え、貨物専用機(フレーター)による輸送を強化し、8月末には沖縄-青島(中国)などアジアで3路線を一気に加える。
だが、経済成長の続くアジアをめぐっては世界の貨物専門会社も攻勢をかけており、単に路線を増やすだけでは競争力は維持できない。そこで同時に進めているのが、那覇空港を介して国内とアジア各地を結ぶ「沖縄ハブ構想」だ。
初の翌日配送実現
サッカー場4面分の広さを持つ那覇空港の巨大物流施設「沖縄貨物ハブ」。夜間に全日空の中型フレーター「ボーイング767-300F」が到着し、施設に直づけされると、次々にコンテナが降ろされていく。中身の一つはヤマトホールディングス(HD)のクール宅急便。香港から通販サイトで注文された生鮮品の詰め合わせだ。
商品はここで通関手続きを済ませた後、別のフレーターに載せ替えられ、明け方に香港へ飛び立った。注文翌日には食卓に並ぶ計算だ。