公取委、是正要求へ
元売りが系列の給油所で売る正規ルートに比べ、商社などを通じて余剰品を独立系給油所で販売する「業転玉(ぎょうてんぎょく)(業者間転売品)」は、卸価格にブランド使用料などが上乗せされないため1リットル当たり4円程度安い。人件費が浮く分安く販売できるセルフ式給油所も普及している。
ガソリンはブランドごとの品質の差があまりなく、消費者の関心は価格にほぼ集中する。既存の系列店は競争に勝ち抜くために利益を削って小売価格を引き下げざるをえない。
都内の給油所経営者は「事業を続けるには1リットル当たり10円程度の利ざや(小売価格と卸価格の差)が必要だが、安値競争の激しい地域では2円程度まで低下している」と漏らす。
業転玉が系列店の収益を圧迫するのは、系列の元売りで仕入れたガソリンしか販売できない商習慣があるためだ。公正取引委員会は系列店が独立系と比べ不利な競争環境に置かれているのを「適切とはいえない」(幹部)とみており、7月に公表するガソリン販売の実態調査で系列店も業転玉を販売できるよう是正を要求する見通しだ。