パソコン(PC)業界で、国内での「ものづくり」の奮闘が続いている。安価な新興国製PCやタブレット端末、スマートフォン(高機能携帯電話)の普及に対抗するため、高品質、高性能製品に的を絞っている。各社とも価格競争とは違う土俵で戦い、勝ち残りを目指す。
神戸市西区にあるパナソニック神戸工場は、ノートPCの主力製品「レッツノート」を生産している。同社は「顧客ニーズをいち早く製品に反映する」ため、生産拠点と設計・開発部門、営業部門を国内に集約した。同工場にはコールセンターや修理部門もある。
同社の狙いが端的に表れているのが「一品一様」と呼ぶ多品種少量生産だ。顧客ごとに仕様変更(カスタマイズ)したノートPCの生産は、1カ月あたり数百種類に及ぶ。売り上げが堅調な法人向けについては、カスタマイズ率を現在の3割ほどから平成27年度には約7割まで引き上げる予定だ。