ものづくりの未来を変えるとされる「3次元(3D)プリンター」の普及が日本でも本格化してきた。3Dデータを基に立体物を造形する3Dプリンターには、国内メーカーが最先端の製品や技術の開発に注力、先行する米メーカーを追う。大手製造業のほか医療などでの活用が進んでおり、政府の成長戦略による投資拡大が期待される。
3Dプリンターは、高速で動くノズルから樹脂などを吹き出すことで、複雑な形でも手軽に形作る。2011年から販売する計測器大手のキーエンスは、連続して造形できるよう工夫したことで、大量生産も可能にした。自社製品での活用のほか、自動車メーカーなどに販売。「家電や装置メーカーなどからの引き合いが急増している」(担当者)。シーメット(横浜市)は、透明度の高い樹脂を開発。オイルの流れなどが見えるため、自動車エンジンの試作品などで使用が期待。ベンチャーのアスペクト(東京都稲城市)は金属粉末で造形する「ラファエロV」シリーズを開発、機器の金属部品や医療用の人骨模型などの造形に利用を見込む。